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2025.11.23 AI活用 ad-logos

D2CやEコマースブランドにおける生成AI活用事例を徹底解説

はじめに

現在、あらゆる業界でAI活用が加速していますが、D2CおよびEコマース分野も例外ではありません。

むしろこの分野は、顧客データを活用したパーソナライゼーションや需要予測など、以前からAIの活用が活発な領域でした。

顧客獲得競争が激化し、LTVの最大化が至上命題となる中、AIは決定的な競争優位の源泉となりつつあります。

本記事では、国内外の先進的なD2C・小売企業を中心に、AIの具体的な活用事例をまとめました。各社が売上向上やコスト削減という目的を達成するために、AIを具体的にどう活用し、どのような成果を出しているのかを見ていきます。

【事例1:Glossier(D2Cビューティー)】

  • カテゴリー: AIパーソナライゼーション、CRM、Eコマース
  • 取り組み内容: AI/ML(機械学習)モデルを導入し、ユーザーのリアルタイムの閲覧行動と過去の購入履歴に基づいた、動的なプロダクトレコメンデーションをWebサイト上およびEメールで配信。
  • 効果:
    • リピーターのCVR(コンバージョン率) +32%
    • Eメールエンゲージメント率 +25%
    • パーソナライズされた動線でのカゴ落ち率 18%削減
  • 概要: ビジネスの成長に伴い、従来の静的なレコメンデーションでは顧客の関心を引けず、クリック率が低迷していた。AIを導入し、Shopify PlusとEメール配信プロバイダを連携させることで、真のオムニチャネル・パーソナライゼーションを実現した。
  • url:https://vsenk.com/case-study/glossier-boosts-retention-with-ai-powered-product-personalization

【事例2:Fresh Clean Threads(D2Cアパレル)】

  • カテゴリー: ハイパーパーソナライゼーション、カゴ落ち対策
  • 取り組み内容: Mastercard傘下のDynamic Yieldが提供する生成AIを活用した、ハイパーパーソナライゼーション技術を導入。
  • 効果:
    • カゴ落ち(Abandoned Cart)による収益 +50%
    • ウェルカム(新規顧客向け)収益 +20% 
  • 概要: Eコマース最大の課題である「カゴ落ち」に対し、AIが顧客の離脱直前の行動や過去のデータを瞬時に分析。その顧客にとって最適なインセンティブ(送料無料、期間限定割引など)を提示し、失われるはずだった収益の回復に成功した。
  • url : https://explodingtopics.com/blog/dtc-trends

【事例3:Shapermint(D2Cシェイプウェア)】

  • カテゴリー: 広告、マーケティング、生成AI
  • 取り組み内容: 独自開発のAI広告ツール「Altair」の一部として、インフルエンサー向けクリエイティブ(TikTokやInstagramリールの台本、絵コンテ)を自動生成するAIエージェントを構築・運用。
  • 効果:
    • インフルエンサー向けクリエイティブの制作時間を約70%削減(9ヶ月間)
    • このAIツール群が、2024年における3億ドルの収益達成の牽引役となった
  • 概要: D2Cマーケティングの成否を左右するソーシャルメディアコンテンツの制作プロセス自体をAIで自動化。AIがブランドの意図に沿った台本を生成することで、コンテンツ制作のボトルネックを解消した 。
  • url : https://www.triplewhale.com/blog/ai-influencers

【事例4:Pandora(D2Cジュエリー)】

  • カテゴリー: Eコマース、パーソナライゼーション、AIエージェント
  • 取り組み内容: Salesforce Agentforceを導入し、「Gemma」と名付けられたパーソナルショッパーAIエージェントが、オンラインでのシームレスな「店舗内」体験を提供。
  • 効果:NPS(ネット・プロモーター・スコア) 10%向上
  • 概要: 世界最大のジュエリーブランド。AIエージェント「Gemma」が、顧客の購入履歴や嗜好に基づき、熟練した店舗スタッフのように商品を推薦。NPS(顧客推奨度)を10%向上させた。
  • url:https://www.salesforce.com/customer-stories/pandora/

【事例5:TUSHY(D2C消費財ブランド)】

  • カテゴリー: クリエイティブ最適化 (会話型コマース)、カスタマーサポート
  • 取り組み内容: Gorgiasの「Shopping Assistant」(AIチャット)を導入し、顧客の購買行動を支援。
  • 効果チャット経由のCVR(コンバージョン率)が190%向上
  • 概要: D2C消費財ブランド。AIショッピングアシスタントを導入し、顧客の疑問に答え、購買を後押しすることで、チャット経由のコンバージョン率を190%という驚異的な水準で向上させた。
  • url : https://www.gorgias.com/customers/tushy-shopping-assistant

【事例6:Travis Perkins(建材供給)】

  • カテゴリー: 顧客リテンション、予測分析
  • 取り組み内容: AIと予測分析を活用し、顧客の離脱リスクを特定。AIが「次に起こりうる行動」を予測し、離脱の危機にある顧客セグメントを自動的にターゲティング。
  • 効果:顧客離脱率を54%削減
  • 概要: AIが顧客データベースを分析し、離脱の可能性が高い顧客を特定。マーケティングチームは、これらの顧客に対し、関連性の高い製品やオファーを自動的に提示することで、関係性を再構築し、離脱を半減させることに成功した。
  • url : https://www.redeye.com/customers/travis-perkins-case-study/

【事例7:Pococha】

  • カテゴリー: CRM、LTV最大化、顧客リテンション
  • 取り組み内容: ライブコミュニケーションアプリ「Pococha」が、顧客エンゲージメントプラットフォーム「Braze」とLINEを連携させ、LTV最大化を目指すCRM施策を実施。
  • 効果:年間約6億円の売上インパクトを創出
  • 概要: AI/CRMプラットフォームを活用し、膨大な顧客データを分析。LINEという主要チャネルを通じて個々のユーザーに最適化されたコミュニケーション(リテンション施策)を行うことで、顧客の定着率とLTVを大幅に向上させた国内の先進事例である。
  • url : https://www.braze.com/ja/customers/pococha

【事例8: Warby Parker(D2Cアイウェアのパイオニア)】

  • カテゴリー: サプライチェーン、AI需要予測、在庫管理
  • 取り組み内容: AI/MLアルゴリズムを活用した高精度な需要予測システムを導入。リアルタイムデータ(SNS、Webトラフィック等)を分析し、チャネル(オンライン/オフライン店舗)ごと、製品ごとの需要を精緻に予測。
  • 効果:
    • 予測精度が最大40%向上
    • 需要変動への対応速度が(AI非導入企業比で)30%向上
    • 在庫切れ(ストックアウト)と過剰在庫の大幅な削減 
  • 概要: Warby Parkerの強みは、デザイン、製造、販売までを一貫して行う垂直統合モデルにあるが、これは全ての在庫リスクを抱えることを意味する。このモデルを機能させるため、AIによる高精度な需要予測が不可欠である。AIシステムが需要を正確に予測することで、同社の革新的な「自宅での試着」プログラムのような複雑な物流も可能になっている。
  • url : https://superagi.com/case-studies-in-ai-inventory-forecasting-success-stories-and-lessons-from-top-retailers-and-ecommerce-brands-in-2025/

【事例9:花王株式会社】

  • カテゴリー: AI需要予測、在庫管理、SCM
  • 取り組み内容: AIを活用した高精度な需要予測システムを導入し、出荷量と在庫の最適化を調整。
  • 効果:廃棄量を最大25%削減
  • 概要: 日本を代表する日用品メーカーである花王は、AIによる需要予測を導入。気候やトレンドなどの複雑な変数を分析し、適正な生産・在庫計画を立案することで、D2Cおよび小売ビジネスの大きな課題である「廃棄ロス(過剰在庫)」を劇的に削減することに成功した。
  • url : https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00151/091300124/

【事例10:中部薬品株式会社】

  • カテゴリー: AI需要予測、自動発注、在庫管理
  • 取り組み内容: AIによる「需要予測型自動発注システム」を全400店舗に導入。自社の棚割システムと連携。
  • 効果:
    • 「日配品」の自動発注率が従来比160%に向上
    • 発注作業時間を週 約600時間削減
  • 概要: ドラッグストア「V・drug」を運営。属人化していた発注業務の課題を解決するため、AI自動発注システムを全店導入。AIによる高精度な需要予測と棚割システムの連携により、自動発注率と店舗在庫の適正化、発注作業時間の大幅な削減を実現した。
  • url : https://www.hitachi-systems.com/news/2024/20240515.html